JTC IT COLUMN
私たちの暮らしや仕事は、ここ数年で大きく変わりました。
クラウドサービスの普及、業務のデジタル化、そして急速に進歩するAI技術。
以前なら時間や手間がかかっていた作業も、今ではパソコンやスマートフォン一つで簡単にできるようになりました。
一方で、情報漏洩や不正アクセス、サイバー犯罪といったニュースを目にする機会も増えています。
技術の進歩によって便利になる社会。その反面、新たな危険も生まれている。
ITサポートの仕事をしていると、こうした利便性と安全性の関係について考えることがあります。
安全を求めれば、便利さが失われることもある
情報セキュリティを強化する方法は、数多く存在します。
パスワードの管理、アクセス権限の制限、セキュリティソフトの導入、ネットワークの監視など、その対策は多岐にわたります。
もちろん、どれも必要に応じて検討すべきものです。
しかし、安全性を高めようとするあまり、実際にパソコンを使う人たちの負担が増えてしまうこともあります。
例えば、日々の業務でパソコンを使っている職員さんに、複雑な操作や管理を求めたらどうでしょうか。
本来の仕事とは別に、覚えなければならないことが増え、業務の効率が落ちてしまうかもしれません。
私は、セキュリティを強化すること自体が目的になってはいけないと考えています。
大切なのは、そこで働く人たちが安心して、本来の仕事に集中できることではないでしょうか。
安全という旗に向かって、少しずつ歩いていく
では、利便性と安全性のどちらを優先すればよいのでしょうか。
私は、どちらか一方を選ぶという考え方では、なかなか答えが出ないように感じています。
情報セキュリティに、すべての人や企業に共通する絶対的な正解はないからです。
少し例え話をしてみます。
TOWARD A SAFER FUTURE
遠くに「安全」という大きな旗が立っているとします。
私たちは、その旗を目指して歩いています。
しかし、そこへ向かう道には、いくつもの穴が開いています。
穴に落ちないように気をつけながら、一歩ずつ進んでいく。
それでも、時には穴に落ちてしまうことがあるかもしれません。
そんなときは、自分の力で這い上がることもあれば、誰かに手を差し伸べてもらうこともあるでしょう。
そして、また歩き始める。
私は、情報セキュリティとの向き合い方も、これに似ているのではないかと思います。
完璧な安全を一度に手に入れるのではなく、経験を重ね、対策を見直しながら、少しずつ安全に近づいていく。
正解を一つ見つけるというより、より良い答えを少しずつ手繰り寄せていく。
そんな姿勢が大切なのではないでしょうか。
防ぐことだけでなく、立ち直れることも大切
どれだけ対策を講じても、トラブルの可能性を完全になくすことは難しいものです。
これは、ITの世界に限った話ではありません。
私たちは日常生活でも、事故や災害など、さまざまなリスクと向き合いながら暮らしています。
大切なのは、危険を防ぐ努力を続けること。そして、万が一のときに対応できる準備をしておくことです。
日頃から備えること
パソコンであれば、重要なデータのバックアップを取っておくこと。
トラブルが起きた際に、相談できる相手がいること。
立ち直れる仕組み
必要に応じて専門家の力を借りながら、業務を再開できること。
こうした備えも、情報セキュリティの重要な一部だと考えています。
IMPORTANT VIEWPOINT
安全とは、何も起こらない状態だけを指すのではなく、何かが起きても立ち直れる状態をつくることでもある。
私はそう感じています。
技術が進歩しても、大切なのは人
今、社会ではDX(デジタルトランスフォーメーション)が推進されています。
クラウドサービスやAIなど、新しい技術を活用することで、これまでの仕事の進め方を大きく変えられる時代になりました。
しかし、新しい技術を導入することが、必ずしもすべての企業にとって最善とは限りません。
企業によって、規模も違えば、仕事内容も違います。
そこで働く人たちのITに対する知識や経験も、それぞれです。
最新のシステムを導入することで業務が改善する企業もあれば、今ある環境を大切に使い続ける方がよい場合もあるでしょう。
新しい仕組みを導入しても、使う人が困ってしまっては本末転倒です。
だからこそ、私は技術を中心に考えるのではなく、人を中心に考えることが大切だと思っています。
ジャパンテックコネクトが考える「DXパートナー」
JAPAN TECH CONNECT
私たちジャパンテックコネクトでは、法人向けIT支援サービスとして「DXパートナー」をご用意しています。
このサービスで大切にしたいのは、単に新しいシステムや技術を導入することではありません。
まずは、お客様が現在どのような環境で仕事をされているのか、何に困っているのか、何を大切にされているのかを知ること。
そのうえで、本当に必要な技術や仕組みを一緒に考えていくことです。
時には、新しいシステムの導入をご提案することもあるでしょう。
反対に、今の環境をそのまま使い続けることをおすすめする場合もあると思います。
大切なのは、導入すること自体ではなく、その先にあるお客様の仕事や日常です。
利便性と安全性のバランスを考え、費用や運用面の負担にも目を向けながら、無理のない方法を探していく。
そして、私たちだけで対応できないことがあれば、必要に応じて専門家の力も借りる。
すべてを解決できる存在ではなくても、一緒に考え、必要なときに相談していただける存在でありたい。
それが、私たちの考えるDXパートナーの姿です。
正解のない時代だからこそ
技術の進歩は、これからも続いていくでしょう。
便利なサービスが増える一方で、今はまだ想像もしていないような問題が生まれるかもしれません。
しかし、振り返ってみれば、社会はこれまでも新しい技術と、それに伴う課題に向き合いながら発展してきました。
今、私たちにできることは、必要以上に恐れることでも、すべてを技術任せにすることでもないと思います。
一人ひとりができることを考え、企業や組織がそれぞれの環境に合った対策を積み重ねていくこと。
そして、困ったときには誰かに相談し、助け合いながら前へ進んでいくこと。
遠くにある「安全」という旗には、簡単にはたどり着けないかもしれません。
それでも、一歩ずつ近づいていくことはできるはずです。
ジャパンテックコネクトも、そんな歩みをお客様とともに続けていきたいと考えています。


